杉並区の保育園は何点で入れるのか|40点と42点の見方と「42⑥」の読み方
杉並区は、認可保育所等の利用調整の結果を「保育施設別指数一覧」という資料で公表しています。園ごと・クラスごとに、最後に内定した人の指数が何点だったかが載っている資料です。
令和8年4月入所の一次選考分を読んでいくと、両親フルタイムの40点より、実際の中心は2点高い42点でした。この記事では、その2点の差がどこから来るのか、そして同じ点数が並んだときに何で決まるのかを整理します。
杉並区は「何点で入れたか」を園ごとに公表している
自治体によって、公表しているものはかなり違います。指数ごとの人数だけを出す区もあれば、まったく出さない自治体もあります。
杉並区が出しているのは園別の内定指数です。行きたい園が去年は何点で決まっていたのかを、直接ひとつずつ確認できます。保活の材料としては、かなり手厚いほうです。
出発点は基準指数40点
杉並区の指数は、保護者ひとりずつに付く「基準指数」と、家庭の事情で足し引きされる「調整指数」の合計です。
基準指数は、月20日以上かつ週40時間以上の就労で20点。両親ともにその働き方なら合わせて40点になります。フルタイム共働きの標準形です。
両親が各20点で調整指数が付かない場合は40点になります。ただし、公表資料に出てくる40点が、すべてこの組み合わせとは限りません。一覧に載っているのは合計の数字で、それぞれの家庭の内訳は書かれていないからです。
実際の中心は42点
公表された一覧のうち、指数が数値で載っている園・年齢クラスの欄は330あまりあります。その中央値は42点でした。42点がおよそ4割、40点がおよそ3割で、この2つだけで7割ほどを占めます。40点以上が9割を超えていました。
ここで見ているのは、内定した人ひとりひとりの点数ではありません。園・年齢クラスごとに「最後に内定した人が何点だったか」を並べたものです。希望者全員が入れたクラスは空欄になるため、この集計は競争があったクラスに寄っています。区全体の申込者や内定者の点数分布とは別のものだと考えてください。
なお、40点を下回る記載もあります(330あまりのうち30件ほど)。「40点では足りない」と一律に言えるわけではないので、最終的には希望する園と年齢クラスを個別に確認してください。
40点に2点が加わる例のひとつが、調整指数の項番13です。申込日の時点で保護者が育児休業を取得中で、1歳児クラスへの入所を申し込む場合に2点が加算されます。
つまり「育休から復帰して1歳児クラスに入る」という多くの人が通る道が、そのまま42点になるということです。ただし、40+2という組み立て以外でも合計42点になる形はあります。点数から世帯のかたちを逆に読むことはできません。
この加点はクラスが上がるほど大きくなります。

1歳児クラス:+2(項番13)→ 42点
2歳児クラス:+3(項番14)→ 43点
3歳児クラス:+4(項番15)→ 44点
0歳児クラスにはこの加点がないので、標準形は40点のままです。
「40点あるから大丈夫」と考えるより、「1歳児クラスなら42点あたりが厚い」という前提で見たほうが、実態に近い読み方になります。
育休が取れない場合は、0歳児クラスに厚く配点されています
ここまでは育児休業を取っている前提の話です。保護者全員が育児休業制度のない働き方をしている場合や、制度はあっても適用対象外の場合は、別の加点が用意されています。産休明けに復職する(予定の)方が対象で、給付認定の事由が就労であることなどの条件が付きます。
0歳児クラスへの申込み ── +4
1〜2歳児クラスへの申込み ── +2
育休を取っている場合と並べると、こうなります。
0歳児 ── 育休を取得中 なし / 育休制度がない +4
1歳児 ── 育休を取得中 +2 / 育休制度がない +2
2歳児 ── 育休を取得中 +3 / 育休制度がない +2
3歳児 ── 育休を取得中 +4 / 育休制度がない なし
0歳児クラスだけ、育休が取れない世帯に厚く配点されています。産休明けすぐに働かざるを得ないので、その時点で保育の必要性がいちばん高いという考え方です。
逆にいうと、1歳児クラスでは差がなくなり、2歳児クラスでは1点届かなくなります。3歳児クラスには項目自体がありません。育休が取れない世帯にとっては、加点の面では0歳児クラスがいちばん手厚いことになります。
ただし、入れるかどうかは点数だけでは決まりません。そのクラスの募集枠、希望している人の数、通える範囲にどんな園があるかによって変わります。加点の大きさだけで年齢を決めず、募集状況と合わせて考えてください。
入れたあと、もう一度選考があることもあります
0歳児クラスで入れれば、あとは進級で持ち上がる。多くの場合はそのとおりですが、例外があります。
小規模保育、家庭的保育、事業所内保育といった地域型保育事業は、2歳児クラスまでしかありません。3歳児クラスに上がるときに、もう一度申し込みが必要になります。
この場合の救済として、調整指数に次の項目があります。
年齢上限がある保育施設を卒園し、引き続き区内の認可保育所等の入所を申し込む場合 → +4 (4月利用希望の3歳児の入所申込み児童のみ)
4点は小さくない加点です。ただし3歳児クラスは、育休中の加点(+4)を持つ世帯とも並ぶため、やはり横並びになりやすいことに変わりはありません。
「0歳で入れば安泰」は、年齢上限のない認可保育所に入れた場合の話です。0歳児クラスは地域型保育事業のほうが枠を見つけやすいこともあるので、どちらを優先するかは考えどころになります。
「42⑥」の丸数字は何を表しているか
杉並区の一覧には、「42⑥」のように点数のうしろに丸数字が付いていることがあります。これは、同じ指数の人が並んだときにどの条件で決着したかを示す番号です。
杉並区の優先順位は7段階あり、上から順に見ていきます。

① 申込日の時点で杉並区に住民登録があり、実際に住んでいる
② 障害児認定を受けている
③ 入所の申込み(きょうだいと同時に申し込む場合や、きょうだいが通っている園を第1希望にした転園の申込みも対象。それ以外の転園の申込みは対象外)
④ 保護者が区内の保育施設に保育士等として勤務していて、育児休業中である
⑤ 経済的な困窮度が高い世帯である
⑥ 杉並区に住民登録があり、引き続き住んでいる期間が長い
⑦ 区民税の所得割額が低い
「42⑥」であれば、42点で並んだ人のうち⑥まで進み、杉並区に長く住んでいる人が内定した、という意味になります。
実際に効いているのは、ほとんど⑥
公表された一覧のうち、丸数字が付いている欄は204ありました。そのうち182欄(およそ9割)が⑥です。①が1割弱、③と⑦はごくわずかでした。
ただしこの数字は、各クラスで最後に内定した1人が何で決まったかを示すものです。同じ点数で並んだ世帯すべての決まり方を集計したものではありません。それでも、点数が横並びになったときに⑥まで進むことが多い、という傾向は読み取れます。
指数がきれいに横並びになりやすい区なので、最後は「どれだけ長く杉並区に住んでいるか」が実質的な二つ目の物差しになっている、ということになります。
ここは申込みの直前に用意できる項目ではありません。区も、どのくらい長ければ有利かは申込者の状況によって変わるため答えられない、としています。
裏を返すと、42点をそろえたあとにできることは、加点集めよりも園の選び方のほうに寄ってくるということでもあります。
点数が動くのはどんなときか
加点のうち、家庭の状況しだいで当てはまる可能性があるものです。
きょうだいが通っている園を第一希望にする:+3(項番9・10)
きょうだいが同時に入所を申し込む:+2(項番8)
年齢上限がある施設を卒園して申し込む:+4(項番11)※4月入所の3歳児のみ
育児休業のためにいったん退所した子が、育休明けに再度申し込む:+10(項番12)
項番12の+10には、退所した時期や再入所を希望する時点までの期間などの条件が付きます。育休に伴う退所であれば自動的に付くわけではないので、区の調整指数表で確認してください。
きょうだいの+2については、ひとつ条件の付き方に注意が必要です。
なお、兄弟姉妹が同時に入所申込をする場合、上記条件はございません。
同時に「入所」を申し込むなら、希望園をそろえる必要はありません。希望園をすべて同じにすることが条件になるのは、きょうだいの一方または両方が転園の申込みになる場合です(入所と転園/転園と入所/転園と転園の3パターン)。その場合も希望順位は問われません。
年齢上限のある施設の卒園(項番11)については、この加点のほかに連携施設への優先的な入所などの扱いがある場合があります。通っている施設にも確認してください。
減点になるものもあります。
希望する園に入れなかった場合に育児休業を延長したい:−20(項番20)
保育料の滞納がある:−10(項番22)
保護者が区外に住んでいて、区内に勤務先や学校がある:−5(項番23)
育児休業の延長を希望する場合の−20は、「育児休業確認書」で該当する選択をしたときにだけ適用されます。またこの項番20を使うときは、ほかの加点の大部分が重ねて適用されなくなる点にも注意が必要です。
希望順位で有利不利はつかない
よくある誤解ですが、杉並区では希望園の並べ方で有利不利は生まれません。区の資料にも、40点の人がA園を第一希望、41点の人がA園を第二希望にした場合、41点の人が第一希望に決まらなければA園は41点の人が内定する、という例が示されています。
順位を戦略的に組み替えるより、行きたい順に素直に書いたほうがいいということです。そのうえで、0〜2歳児クラスは最大9か所(地域型保育事業を除く園は最大6か所)、3歳児クラス以上は9か所まで希望を書けるので、書ける枠は使い切ったほうが内定の可能性は上がります。
読むときに気をつけたいこと
この一覧は4月入所の一次選考の結果です。二次選考や年度途中の入所は、また状況が変わります
最低内定指数はその年の申込者の顔ぶれで動くので、翌年も同じ点数で入れる保証はありません
点数の付け方そのものが年度ごとに見直されることもあります。申込みの前に、最新の「保育施設利用のご案内」で必ず確認してください
点数のめどが立ったら
指数の見通しが立つと、次は園を絞る作業になります。見学の回り方や見るべきポイントは保育園の見学ガイドに、内定後にそろえる持ち物は入園準備リストにまとめています。認可外に預けた場合の扱いは杉並区の認可外保育施設のまとめをご覧ください。
出典
杉並区「保育施設別指数一覧(令和8年4月入所の利用調整分(一次))」
杉並区「令和8年度 保育施設利用のご案内」P22〜26(基準指数・調整指数・同一指数の場合の優先順位)
記事中の図は、区が定めている指数の仕組みを図解したものです。いずれも2026年9月8日時点で確認しました(育児休業制度がない場合の加点と、年齢上限のある施設の卒園に伴う加点については2026年9月24日に追記、同一指数の優先順位③・丸数字の集計の説明・きょうだい同時申込みの条件・集計の母集団の説明は2026年9月25日に修正)。制度は年度ごとに見直されます。最新の取り扱いは必ず杉並区の公式ページでご確認ください。